1) 牽引中の注意点と基礎知識
○ 内輪差や死角による巻き込みに注意
通常の車で3m〜7m程のボートトレーラーが牽引されるわけですから、運転においてはより注意が必要になってきます。カーブでの脱輪、転落、ガケ等の乗り上げ、右折左折、交差点の歩行者、横断者、自転車などの接触や巻き込み、トレーラーによる新たな死角や内輪差の違いには特に気をつけ、側面や後方への注意を十分払い進行しなければなりません。
○ 狭い路地で立ち往生したら
基本は広い道を選んで走ることですが、狭い路地に迷い込んだりすることもあるはずです。狭い道路や、路地ではガードレールや電柱、看板等に対しては内輪差や荷物のはみ出し等で思わぬ接触事故が発生する可能性があります。また、やっかいなのが離合と右左折です。離合の場合は、無理してバックしようとせず、事情を説明して相手方にバックしてもらうことです。
思わぬトラブルや余計な時間をくってしまいかねません。狭い道での右左折はクランクなどでどうしても切り返されなくなったら、無理をせず潔く諦めて、トレーラーを切り離し、手で切り返した後で連結しなおすという方が得策かもしれません。いずれにしても、狭かったり、入り組んでいる道は避けて走行するのが一番です。
○ 恐いジャックナイフ現象
走行中の急ブレーキ等により、車とトレーラーが「く」の字のように曲がってしまうジャックナイフ現象があります。トレーラーと牽引車とがまったく違う動きをしてしまうことです。他の車や人を巻き込んでしまう重大な事故を発生する可能性があります。特にスピードの出ている高速道路でのこの現象は大事故にもつながりかねません。通常よりも長めの車間距離や通常よりも長めの車間距離をとり、スーピードをおさえて急ブレーキをかけないような運転をいて下さい。
○ 下り坂のカーブは特に注意
坂道での運転も気をつけなければなりません。元々牽引時には制動距離が伸びる上に、下りにはトレーラーの重さによるより大きな推進力が加わり、さらに助長されるため、とても危険です。これにカーブが加わるとさらに危険度が増してきます。カーブではトレーラーと牽引車両とが違う動きをしたり、急に外に振れたりすることもあります。また、上りにはトレーラーの重さにより、後方に引っ張られる力が加わったりします。とにかくエンジンブレーキやアクセル等を上手に使い、急ブレーキや急ハンドル、十分な減速など慎重な運転を心がけましょう。
○ バックにはより慎重に
トレーラーでのバックが一番難しい運転とも言われています。トレラーを付け、真っ直ぐ直線でバックするのは思っている以上に難しいものです。トレーラーの動きと後方の確認を十分に行い、慎重にバックする必要があります。また、アウトドアやバス釣りでは、舗装道路ではない、砂利道等の走行も考えられます。バックや、Uターン時にトレーラーが一般道とは違う動きをすることがあります。慎重な運転が必要です。
○ 駐車場では不注意な駐車は禁物
高速道路や走行中に途中休憩や食事で広い駐車場を利用することがあるはずです。そこで注意しなければならないのは、空いている状態では問題なく置いたのに、前後左右に車が駐車され、どうにも身動きがとれず、出られなくなるパターンがよくあります。通常の駐車スペースや通路は普通車を設定しているため、いざ周囲に囲まれると曲がりきれない状態になるわけです。大型の駐車スペースか、出るときのことを考えて、十分なスペースを確保できる場所に駐車したいものです。
○ パンクや灯火装置切れなどこまめな点検を
ボートトレーラーのパンクは十分起こりうること、走行時のパンクは重大事故につながりかねないものです。タイヤの状態や摩耗度はよくチェックし、万が一のことを考えて、スペアタイヤを用意しておきたいものです。ジャッキは牽引車のものを利用できますが、高さが必要になりますので、小口で切った枕木などを用意しておくと良いでしょう。
灯火装置、中でもブレーキランプや、ウィンカー、バックランプなどは走行中重要な役割を果たすものなので、切れたらすぐ取り替えられるように予備のランプを用意しておきたいものです。
また、ボートとトレーラーとの固定ベルトの緩みや、タイヤの異常、ボートの上げ下ろし時の灯火装置の点滅、ブレーキの効き具合など走行前や休憩時にこまめな点検を行う習慣を付けておきたいものです。
○ 高速道路ではより細心に走行
高速道路でのボートトレーラー牽引での法定速度は時速80kmです。まずは速度遵守が重要です。また、一般道異常にスピードが出ているため、下り坂での速度超過や、上り坂での速度低下にも注意が必要です。特に下り坂の場合は、ボートトレーラーによる制動距離が伸びていることを常に留意し、車間距離や、ブレーキは通常車両のみより、必ず長い距離が必要であることを忘れないようにしなければなりません。また、車線変更時も車長が倍以上長くなることも忘れず、他者との車間距離を十分確保し、安全を確認した上で行う必要があります。
また、霧、雨、氷結、雲といった気象条件にも十分な注意を払う必要があります。車間距離、スピードの制限等一般車両の運転以上に細心の注意を払い、安全運転を心がけて欲しいものです。
○ 高速道路やフェリーの料金は
基本的には牽引車両のワンランク上のクラスとみられます。但し、普通車や軽自動車でのボートトレーラーを牽引すること自体が、まだ社会的認知を受けていないため、対応も統一されていないのが現状で、高速道路や有料道路では料金所の徴収者の裁量によるところが多いようです。
フェリーについては、長さで料金が設定されているので、牽引車両とトレーラーの車検証で連結全長を出し、11m未満のトラック1台といったようにこれに合う車両のカテゴリーで料金が設定されるというのが基本のようです。料金はちょっと高くなりますが、行動エリアがぐ〜んと広がることを考えると、仕方がないかもしれませんね。
2) トレーラーを牽引し、それが原因で事故を起こした時の保険について
事故の危険度や事故が起こった時のことを考えると、普通の自動車事故とはちょうと違い、致命的な事故になりかねないのが、トレーラー事故かもしれません。オーナーたちの大きな心配事でもあります。一般道や高速道路での細心の注意を払っていても、事故の可能性は無くなりません。(株)マリンモーターは安田火災海上保安保険株式会社との提携により、保険においてもサービスネットワークを取っています。
現在、牽引中のトレーラーによる対人、対物補償は、牽引車の任意保険が適用されることになっています。車両保険は牽引車とは別途トレーラーに必要です。ヨットモーターボート保険は海の事故だけでなく、移送中も適用となる。ちなみにNEO12モーターボート保険は(船体保険(免責5万)、賠償責任(5,000万円))保険料年間約2万円に加入すれば、水上事故も交通事故もすべて安心です。
|