私は日本一細長い半島と言われる四国の最西端・佐田岬半島で生まれ育ち、昭和53年、23歳の時に故郷で自動車と漁船の修理工場を開業いたしました。
修理の仕事は「事故や故障」など、突然のアクシデントの時が出番。普段は「サー、いらっしゃい!」で対応できますが、ストレスが溜まり過ぎると、たまに落ち込む時もありました。
しかし、職場や家庭で「弱音を吐く」とまわりが不安に思うので、自分でストレスを乗り越える方法として、一人でボートに乗って海に出ていました。波の中をジェットコースター状態で滑走したり、アンカーを打ってのんびり昼寝をすると、何があっても誰にも邪魔されない時間ができ、全てを忘れ、いつの間にかリフレッシュできました。
そのうち、工場は運輸局長指定民間車検工場になり、私は自動車検査員をしながら、ボートの販売と修理の見積りをしていました。そんな平成8年2月に追突事故に遭遇し、頚椎損傷で利き腕の左手と左足がしびれて入院することになってしまいました。
病床で、前年(平成7年7月)の検査員研修(車両法の改正)のうち、けん引免許不要のライトトレーラー関連が規制緩和で簡単になった事を思い出し、当時の海上係留での主力販売の20フィート艇をけん引免許不要のトレーラブルボートにするために、本業の車両法をもう一度勉強し直し、平成9年にけん引免許不要のNEO 20(4スト50馬力エンジンセットの20Ft艇)を開発しましたが、駐車場(駐艇場)の問題であまり売れませんでした。
アツ!と言わせるのが好きな私は「日本の国民車的な扱いで、車検や税金、車庫法にも優遇されている、軽四でもけん引できる軽トレーラー」に挑戦し、材料から車両として認可を得る方法を勉強しました。
次に小型船舶安全規則を勉強し、「軽トレーラー積載で25馬力エンジンを搭載できるバスボートNEO 373を完全不沈構造(レベルフローティング)』で開発しました。
世間は段々とリストラなどが深刻な社会問題になってきました。私のストレス発散方法を「誰もが手軽に体験できるボート」として、海仕様のNEO374を開発、お客様の「岸壁から降ろせたら買ってやる」の一言で、弊社特許の「クレーン付トレーラー」が完成しました。
次に小型船舶の登録制度が実施になると海上係留が不可能になり、諸事情でマリーナ保管が不可能な人の為にトレーラーセットで一般的な駐車場(5m×2m)に保管できるNEO 450を20フィート艇のフィーリングで楽しめるトレーラブルボートとして開発しました。
私も50才が近づき、友人や先輩たちの話題に定年の話が多くなりました。
自分を含めて、定年後は自分が生まれ育った日本全国をゆっくりと旅して、出張では味わえなかった新たな発見や感動を味わいたい!楽しい思い出を沢山作りたい!と思いだしました。
各地の温泉に湯治し、決まった観光コースばかりでなく、海からも景観を自己流に眺め、たまには釣り糸を垂れ、その土地の美味しいものを食しながら自由な旅を提案したい。そんな思いから、維持管理の安価な軽トレーラーに積載できる最大サイズの安定性の良いボート「NEO 390シーボーイスポーツ」を2005年に発表し、今年は女性も同乗できるボートとして、トイレや日陰を作れるオーニングをオプション装備できる「NEO 390_Z」を開発し2006年発表しました。
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